2011年5月15日日曜日

丸山変電所












幾年か前に改築された丸山変電所跡。
明治の終わりに、電化に伴って建造されたもので、ここと軽井沢の矢の崎に、大きさ、形、設備ともに同一のものが設置されました。建物は、蓄電池室と機械室のニ棟にわかれています。
蓄電室でたくさんのバッテリーが並んでいて、列車が走っていない時に蓄えた電気を、列車が登板する時に放電する役目をし、軽井沢方の建物は機械室で、発電所から送られてきた電気の電圧を変える変圧器と、交流を直流に変える開店変流機を収容していました。
変電所を過ぎたところにはかつて丸山信号場がありました。ここから線路は単線になり、急勾配が始まります。アブト式ラックレールの始点であるエントランスが設置されていました。少し行くと霧積川を渡ります。


66.7パーミルという我が国では例のない急勾配を採用し、アブト式という特殊な索引方式で克服したのです。これは窮余の一策でした。幹線鉄道ではありながら、短い区間とはいえ、横川・軽井沢間に輸送力の小さいアブト式を採用した結果、その後、大変苦労することになったのです。


旧碓氷線は近代文化遺産としてはじめて国の重要文化財に指定されました。
横川運転前庭にある記念碑に【刻苦七十年】と刻まれています。

(ガイドブックより)