上田市にある無言館。
第二次世界大戦中、志半ばで戦場に散った画学生達の残した絵画や作品、イーゼルなどの愛用品を収蔵、展示しています。-無言館のページより抜粋-
入口です。
静かに入って作品を鑑賞する流れになっています。鑑賞料の1000円は出口で支払い、無言館第二展示館と共通チケットになっていました。
印象に残っているのエピソードがあります。
ある画学生は、お兄さんの奥さん(義姉)に、戦争から戻ったらフランスに留学して絵の勉強をしたい。行かせて欲しいと頼んだそうです。それに対しお義姉は、留学のためなら山でも畑でも売って絶対に行かせるからね。と固く約束をし、画学生は戦地へ行きました。しかし絵の勉強をしたいという夢も虚しく戦地で亡くなっなったようです。これは彼の義姉が語ったエピソードだと書いてあります。それに、画学生の一つ一つ手紙を読んでいると、戦地から戻ったら描きかけの絵を完成させたいとか、絵が描きたいから戦地まで絵具を送って欲しいとか、胸が詰まる話ばかりです。
ほとんどの学生が戦争によって絵を描きたいという未来を奪われました。私は戦争が悪かった、仕方なかったとは思いませんし、思いもしたくありません。いつも辛い思いを強いられるのは弱者です。大きな戦争の歴史があったことや、その激動の時代を生きた人々のエピソードは忘れてはいけない、知るとこが義務のようにも思います。私達が今平和に過ごせているのは、その方達の犠牲があったからなのです。
これは画学生が使っていた筆です。無言館第二展示館の前にあります。
ほとんどが油彩用の筆みたいで、使い込んでいたのが伺えます。
何年経とうと人の思いは伝わってくるものです。